June 10, 2001

実力社会

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この前昇級があったことや、ボーナスが近づいてきたことなどから、最近やたらと実力社会という単語が僕の耳によく入る。僕は大学2年ぐらいまでは絶対実力社会じゃないと嫌だと思っていたが、その後はまあ、年功序列も楽でいいか、と思うようになっている。のほほん、と仕事しててもお金が保証されるなら、企業でも公務員と同じように仕事だからと割り切って仕事することが出来る。でも、社会にでたら現実はそうではない。

不景気が続き、企業間の戦いが国内だけでなく、海外にも向けられると、この日本の古いやり方ではどう考えてもパワーがなく、敗戦は目に見えている。大手企業も倒産して、シビアな状況をまざまざと見せつけられると、働く側にも危機感が芽生えてくる。大手=保証が絶対ではなくなってくるからだ。世の中は、これからは実力社会だ!という決まり文句を吐く。でも、そんな簡単に変わるわけがない。というか実力社会にはならないだろう。実力社会っぽいのにはなるかもしれないけど。

実力社会だ!って言いながら実力社会でないと僕は文句を言うてしまう。出来ないのなら最初から年功序列だ!って言えばええものを。根拠のない実力社会を吠える前に、昇級やボーナス金額の計算式を公開するほうが、よっぽど会社のスタンスは分かると思う。ようするにお金なんだから。

血縁関係は薄れ、家族間は昔に比べるとドライな関係になったのかもしれない。同様に企業の中でも、雇う側、雇われる側はギブ&テイクのドライな関係に近づいている。近づいていると書いたのは、今はまだドライまで行っていないと思うからで、今後は今よりもましてドライな関係になると思われる。今、経営者が僕らのような人間の扱いに苦労しているのなら、10年後もっと大変になっているのは間違いない。だって僕なんかめっちゃ筋を通しているつもりですよ。

雇う側の人間は社員に何を与えるのか考えないといけない。お金?仕事?雰囲気?将来性?保証?何も与えないと社員は他に行ってしまう。当たり前だ。

雇われる側も何を企業に返すのか考えないといけない。何も返さないとクビになる。これも当たり前。でも、この2つの当たり前が今はまだ当たり前でない。
雇われる側が会社に返すものは利益なんだろう。開発やってて思うのは、開発能力があったら実力があると勘違いしている人達が多いことだ。実力=技術ではない。技術は実力の中に含まれるが、それだけでない。ましては技術があっても会社の利益につながらない技術ははっきりいって必要ないと言われても仕方ない。自分の技術を会社に活かしてはじめてその技術は意味をなす。ようするに金さえ稼げば会社は文句言えないのだ。

引き抜き騒ぎにしても、当たり前すぎて言葉も出ない。雇われる側にすればいいとこに行きたい気持ちは誰にでもある。引き抜かれた!っていうている会社が実力社会なわけがない。社員の気持ち掴んでいない自分が悪いということに気付いていないのだから。社員の気持ちを掴むような会社にして、あちこちから引き抜きまくるような会社が実力社会かな。
でも、こういった考えは今4、50歳ぐらいの経営者には理解できないのかもね。考え方が古い。だから、ベンチャーに可能性があるんでしょうね。

中国の人は日本は楽でいいと言う。実力ではなく勤続年数で評価されるからだ。中国では仕事は誰も教えてくれない。自分の知識を人に教えることは他人の実力アップに繋がり、自分の首を締めかねないからだ。そういったのが実力社会だ。企業間でも戦いだか、根底は個人間での戦いだ。
アメリカンドリームに代表されるような夢物語だけを見て、実力社会がよいというのなら、アメリカに行けばよいと思う。 僕はぬるま湯の日本にいるから、郷に従っとく。サラリーマンは楽チンだ。ほんまの実力社会になったらスポーツ選手のように長くサラリーマンできない気もする。40とかが限界かな。

今はごっつ中途半端な時代だ。これからもずっと中途半端かもしれない。ま、僕はどんな時代になっても、ずっと生き残っている自信を持っていたい
そのために、先のことをいつも考えている。
自分の武器は何かを考えている。
自分の武器を磨いている。
どこで戦うか考えている。
お金をもらうためには努力が必要だ。

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